電子書籍の議論も、最近では落着きを見せているようですね。紙の本は滅びない、電子書籍と共存していくだろう。そういった見解があちこちで見られるようになりました。紙の本は消えてしまうというのはいささか誇大妄想的な発想だと、それが電子書籍にたいする私たちの共通認識になりつつあるように感じます。
私は、おそらくその過信と油断が、紙の本を滅ぼす要因になるのではないかと思っています。
電子書籍の議論も、最近では落着きを見せているようですね。紙の本は滅びない、電子書籍と共存していくだろう。そういった見解があちこちで見られるようになりました。紙の本は消えてしまうというのはいささか誇大妄想的な発想だと、それが電子書籍にたいする私たちの共通認識になりつつあるように感じます。
私は、おそらくその過信と油断が、紙の本を滅ぼす要因になるのではないかと思っています。
ただいま弊社ではAndroidとiPhone用の電子書籍アプリを作成しております。MCBOOKというヒラギノなどのフォントで有名なモリサワさんのツールを使って制作しているのですが、iPhoneではすでに定評のある電子書籍ツールとなっています。iTunesで同期すればMACやiPadで見られるようになりますし、Android対応アプリも可能になります。
MCBOOKについて、iPhone,Android原稿募集(予定)についてはこちら
AndroidやiPhoneの登場により日本人の読書スタイルは今後変わってくると思います。スマートフォンで本を読むことに慣れてしまうと戻って来れなくなると思うんですよね。情報の整理、読みやすさ、携帯性、保管性において紙の本は電子書籍にどう足掻いても勝てないです。そして紙の書籍が電子書籍に上回るのは、物である物を所有する気持ち、美術センスの高さ、交換性、そして現時点では人間の認識度の高さ、そして販路だと思います。本を読んだことがない人はいないですし、売り買いするための書店が全国に散らばっています。
また電子書籍によって情報の送り手も変化します。出版するための敷居が低くなったことです。出版業界の慣習を考えることなく本を出版することが出来る。取次のことも書店のことも考える必要がない。私のように出版社を立ち上げて電子書籍を作る会社は今後増えるのではないかと予測しています。
敷居が低くなるということは次に予測されるのはコンテンツの質の低下です。日本語の乱れや内容の薄さなどが紙の業界でも言われていますが、それよりもさらに上回る速度で質の低下が加速するように思われます。現時点でも無料で公開したり、頒布できる電子書籍サイトの多くで、このような現象が起きています。
どうすれば歯止めを掛けることができるのか? いえそうではなく、どうすれば質の向上にベクトルの向きを変えることが出来るのか、それをこれから私たちは考えなくてはいけないのではないでしょうか。質の高い作品であれば必ずファンが付きます。この著作で何を伝えたいのか、どれだけ心を揺さ振ったか、それがこれまで以上に問われることになるはずです。また電子書籍によって妥当が報酬を実現することが出来れば(あるいはそれを目標としてモチベーションを維持することが出来れば)、制作者側もプライドを持つことが出来、さらに質の高い作品作りに励むことが出来ます。そのためには文学性の復興といいますか、電子書籍時代に移り変わるからこそ、ルネッサンス的な視点を持つ必要があるんじゃないかと思っています。子供の玩具のように読んで終わりではなく、ずっとスマートフォンにいれて、持ち歩きたいと思わせるような作品であれば、その人の他の作品も読んでみたいと思うはずなわけで。今まではプロモーションや装幀や帯や販路で勝負できたものが、作品のみでしか勝負できなくなる、そんな状況が今後生まれるんじゃないかと思っています。私は電子書籍は好期であると捉えています。IT業界も長い時代を経てようやくコンテンツ主義に移り変わる、そんな予感が胎動のように聞こえてくるのです。
本日はiPhoneとAndroidアプリの開発者登録をしていました。
iPhoneの方は法人確認が必要と言うことで途中までしか行っていませんので後日Appleから連絡が来るのをまって最終的に手続を済ませておきたいと思います。このあとはアプリ制作と、申請を済ませればアプリを販売していくことになります。
同時にアプリ化の作業を少しずつ進めておりまして、弊社が昨年刊行した『神様がくれた背番号』をまずは電子書籍アプリ化していく予定なのですが、それ以外にも多くの作品を順次アプリ化していけたらいいなと考えています。ちなみに左上の画像はアプリにはさむためのの画像です。
ということで早いですが話しておこうと思います。カエデブックスは今後、アマチュアの方の作品を募集し、作者負担ゼロでアプリ化していく予定です。
なおアプリ化する作品は、短編や中編の小説をメインに扱っていこうと思っています。もちろん販売する前から方針を限定していくつもりはなく漫画にも強い関心を持っています。といっても普通の漫画ではなく商業誌ではあまり見受けられないようなオルタナティブで文学的な要素を持った作品と言いますか、個性のある漫画作品なら、コンテンツサイトとしてカエデブックスの特色を出せるんじゃないかなと思っています。やっぱり漫画に関しては大手の方が強く普通にやって勝算があるとは到底思えませんしね。
もちろん小説もカエデブックスとしての特色を出していくつもりです。どうやってカエデブックスのカラーを出していくか、大事だと思っています。一つ目は、クオリティ。やはり文章力、構成力、企画力、ストーリーテリングのセンスは作家としてもっとも大事な要素です。二つ目は独自性。紙書籍や他の出版社が扱っていない作品を発掘し紹介すること。商業性はやっぱり文学性もとりいれていきたいので。三つ目は敷居の低さ。値段、文量、デビューのしやすさ。やっぱり安心して参加できる仕組み作りが大事なんだろうなと思っています。
あ、だからといって今作品は送ってこないでくださいね。また上記の件についてのお問い合わせにも応じられませんのであしからず。ではこの辺で失礼します。