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Archive for 2月, 2011

Androidによって電子書籍業界が絶対に盛り上がる理由

12 2月

 

 

やっぱり2011年はアンドロイドの年になるんだろうなと私は考えています。ソフトバンクのiPhoneに煮え湯を飲まされていたdocomoやKDDIがようやく巻き返しに掛かりandroidスマートフォンを次々と登場させています。

 

それで見出しの理由ですが、電子書籍におけるAndroidの魅力はやはりAndroidマーケットとdocomoマーケットの連携になると思います。市場として機能しだしたことです。電子書籍をクレジットカードではなく月々の使用料と同時に請求できますし、将来性を考えたときiPhoneの比ではなくなります。iPhoneの場合やはり端末限定のため、ユーザー数というスケールメリットの恩恵が受けにくいという問題がありましたが、徐々にそれは改善していくと思っています。あと一企業の趨勢に依存してしまうという状況も回避できますから安心です。将来性が決して良いとは言えません。今季のユニクロみたいに、毎年ヒットを作り続けるのは容易ではありません。もしヒットが出なければその影響をもろに受けるのもiPhoneアプリの潜在的な問題でした。リスクヘッジとしてもAndroidマーケットへの期待は大きくなる一方です。

 

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電子書籍のアプリ化。

07 2月

最近、電子書籍に興味が移っているたにぐちです。スマートフォン、特にandroidの盛り上がりは凄まじいですね。docomoさんやauさんなど意気込みが凄いです。

ということでカエデブックスでも電子書籍アプリを作っていっこうと思っています。それで電子書籍アプリを作る方法を探してみると『小説家の花道』や『androbook』や『サルにもできるiPhone同人誌の作り方』など低コストで出来る方法が揃ってきたように思います。アマチュア作家さんが電子書籍化する間口が徐々に広がっているように感じます。ちなみに導入を本気で考えていたのですが、今は一歩引いて考え直してます。あ、サービスが悪いと言うわけではなく、コンセプトの違いです。『androbook』『サルにもできるiPhone同人誌の作り方』は漫画家さん用のサービスなんですよね。詳しくはサイトでそれぞれのサービス見てもらうとして、画像形式ってところがやっぱりネックかなと。画像だとなにが問題化というと、容量が重くなる。たしか20MB以上は3G回線でダウンロード出来なくて、WiFi経由でしかダウンロード出来なかった気がします。『パンドラの匣』を全部画像化してみたら60MBを超えてしまいました。とてもこれではちょっと厳しいなって思いまして。理想はPDFファイルで販売できるのが一番なんですけどね。とりあえず目処は立っていまして今は上記のサービス以外で考えています。余談ですが『小説家の花道』さんを候補から外させていただいたのはコンセプトが競合しているからです。ちなみにカエデブックスもとい楓出版の理念は、アマチュア作家のプロへの道筋を作ることです。もちろん収益化もその中に含まれます)

iPhoneよりもandroidの方が市場としてこれから大きくなっていく可能性があると思っています。やっぱりキャリアの規模が違いますからね。ガラケーからスマートフォンに完全に切り替わるのに何年くらい掛かるのか分からないけれど、スマートフォンがエンターテインメント路線に特化していくのは間違いないです。andromarketにアプリ申請をしてドコモマーケットに登録するところまでが今回のプロジェクトのゴールです。もちろん私はiPhoneユーザーだし、今回の登録のためにiMacも買ったので(もはやアップル信者ですね)iPhoneアプリ登録も同時進行で行います。なんだか面白くなってきましたよ。

 

 

太宰治『人間失格』iNovel形式にて電子書籍化

04 2月

代表作ですね。太宰治作第四弾『人間失格』です。


    はしがき

 私は、その男の写真を三葉、見たことがある。
 一葉は、その男の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、十歳前後かと推定される頃の写真であって、その子供が大勢の女のひとに取りかこまれ、(それは、その子供の姉たち、妹たち、それから、従姉妹たちかと想像される)庭園の池のほとりに、荒い縞の袴をはいて立ち、首を三十度ほど左に傾け、醜く笑っている写真である。醜く? けれども、鈍い人たち(つまり、美醜などに関心を持たぬ人たち)は、面白くも何とも無いような顔をして、
「可愛い坊ちゃんですね」
 といい加減なお世辞を言っても、まんざら空お世辞に聞えないくらいの、謂わば通俗の「可愛らしさ」みたいな影もその子供の笑顔に無いわけではないのだが、しかし、いささかでも、美醜に就いての訓練を経て来たひとなら、ひとめ見てすぐ、
「なんて、いやな子供だ」
 と頗る不快そうに呟き、毛虫でも払いのける時のような手つきで、その写真をほうり投げるかも知れない。

※本文より冒頭部分を引用 

 

 

 

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太宰治『ダス・ゲマイネ』をスマートフォン用に電子書籍化。

03 2月

太宰治作第三弾『ダス・ゲマイネ』です。


     一 幻燈

        當時、私には一日一日が晩年であつた。

 戀をしたのだ。そんなことは、全くはじめてであつた。それより以前には、私の左の横顏だけを見せつけ、私のをとこを賣らうとあせり、相手が一分間でもためらつたが最後、たちまち私はきりきり舞ひをはじめて、疾風のごとく逃げ失せる。けれども私は、そのころすべてにだらしなくなつてゐて、ほとんど私の身にくつついてしまつたかのやうにも思はれてゐたその賢明な、怪我の少い身構への法をさへ持ち堪へることができず、謂はば手放しで、節度のない戀をした。好きなのだから仕樣がないといふ嗄れた呟きが、私の思想の全部であつた。二十五歳。私はいま生れた。生きてゐる。生き、切る。私はほんたうだ。好きなのだから仕樣がない。しかしながら私は、はじめから歡迎されなかつたやうである。無理心中といふ古くさい概念を、そろそろとからだで了解しかけて來た矢先、私は手ひどくはねつけられ、さうしてそれつきりであつた。相手はどこかへ消えうせたのである。
 

※本文より冒頭部分を引用 

 

 

 

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太宰治『ヴィヨンの妻』をスマートフォン用に電子書籍化しました。

02 2月

太宰治作第二弾『ヴィヨンの妻』です。2009年に映画化もしまして、『パンドラの匣』同様に太宰治の代表作の一つとして数え上げられている名作です。

 


 

 あわただしく、玄関をあける音が聞えて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅にきまっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。
 夫は、隣の部屋に電気をつけ、はあっはあっ、とすさまじく荒い呼吸をしながら、机の引出しや本箱の引出しをあけて掻きまわし、何やら捜している様子でし たが、やがて、どたりと畳に腰をおろして坐ったような物音が聞えまして、あとはただ、はあっはあっという荒い呼吸ばかりで、何をしている事やら、私が寝た まま、
「おかえりなさいまし。ごはんは、おすみですか? お戸棚に、おむすびがございますけど」
 と申しますと、
「や、ありがとう」といつになく優しい返事をいたしまして、「坊やはどうです。熱は、まだありますか?」とたずねます。
 これも珍らしい事でございました。

※本文より冒頭部分を引用 

 

 

 

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