君、 思い違いしちゃいけない。僕は、ちっとも、しょげてはいないのだ。君からあんな、なぐさめの手紙をもらって、僕はまごついて、それから何だか恥ずかしくて 赤面しました。妙に落ちつかない気持でした。こんな事を言うと、君は怒るかも知れないけれど、僕は君の手紙を読んで、「古いな」と思いました。君、もうす でに新しい幕がひらかれてしまっているのです。しかも、われらの先祖のいちども経験しなかった全然あたらしい幕が。
※本文より引用
青春小説の金字塔、太宰治の『パンドラの匣』を電子書籍でご用意しました。スマートフォンでも快適に読めるようレイアウトされています(もちろん大型の端末でも快適に読むことが出来ます)。少しずつコンテンツを増やしていこうと思っております。