RSS
 

Archive for the ‘iPhone’ Category

Developer登録完了、iPad2の発表から電子書籍小説賞の創設などについて

07 3月

 

 

えーっとではまず最初に簡単に近況報告です。

 

※ちなみに左の写真は今春発売予定のAndroidスマートフォンMEDIASです。

その1

先週のあたまにAppleのiOSのDeveloper登録が完了しました。『神様がくれた背番号』を電子書籍化するわけですがデータの作成は半分以上は済んでいて(とっても簡単でした。さすがモリサワのMCBOOK♪)、調整した後来週ぐらいにドッキドキのiPhoneとAndroidの申請を済ませてしまおうと思っています。ただリリース日はすんませんm(_)mまだ未定です。
(いろいろとやることが残っているので……)

つづきをよむ

 

物語が届く昂奮

01 3月

 

最近、ブログの更新が多くなっている、たにぐちです。

正直に申し上げると電子書籍化の方が少し滞っているからなんですね、今AppleさんのiOSデベロッパプログラムの方が申請待ちでして、差し迫ってすることがなく手持無沙汰なわけです。いややることはわんさかあるはずでして、その他のことをやればいいんですけど、これまで目の前の切迫したジョブだけを片付ける感じでやってきた人間でして、どうも踏ん切りがつかい状態でして、頼りなくて申し訳ありません。

ということで今回もとりとめない記事を書かせていただきます。

 

電子書籍が過渡期の真っただ中にあるのは誰に目にも明らかなわけです。いえ過渡期にも今は入っていないのかもしれませんが。

ただある程度、私もこの電子書籍化事業の目標やら、やりたいこと、やれないことなどが見えてきまして、電子書籍によって本当に自分がやりたいこと、自分がすべきことは何なのだろうかを、今更ながら考えております。これは事業としての目標ではなく、私の理念として、その指標を何とするのか、そんなことを考えていたりします。アマチュアのプロ化への道を模索するという目的はもちろんありますがそれは楓出版の経営上での理念でして、それは読者には関係ないことなのです。出版社として読者とどう向き合っていくべきなのか、それが今私が考えなければならないことです。そして良い作品を提供することが出版社に求められていることなのだと思います。しかしただ面白い、良い作品を提供するだけでいいのか、と疑問に立ち返るわけです。

読書の原初体験は誰にでもあると思います。私は物心ついたときすでに、漫画や絵本が周りにあふれていました。そうですね、私にとっての幼少期の読書は本ではなく漫画だったと思います。小学生に入って図書館で本を借りたり、塾で借りたズッコケシリーズに夢中になったりもしましたが、やっぱり中心は漫画だったかな。他にも私の周りにはテレビやアニメなど娯楽に溢れていたように思います。高校生になって、読書に興味を覚えはじめ、文庫本の本を読み漁るようになって、そして大学に入ると、映画に興味を持ち、何本もレンタルビデオで借りて観るようになったりもしました。そうやって振り返ってみると私の中心にあったのは常に誰かの物語だったように思います。

『良質の物語を提供すること』換言するならば『物語によって社会に普遍性を浸透させるための啓蒙を行うこと』それがこれまで出版社が私に果たしてくれた理念だったのではないかと思っています。私の実家は商売をしておりまして、毎週店舗兼自宅にはジャンプやマガジンが町内の小さな本屋から届けられていました。今でも実家に届けられていると思います。その漫画雑誌にはたくさんの興奮と感動が詰まっていました。前日には待ちきれなくなっていたように思います。私が理想とするのはそんな物語です。そして電子書籍においても目指すべきはそこなのだと考えています。物語が届けられるという昂奮を提供したい。子供のころに夢中になった物語、大人になっても夢中にさせてくれる物語、その両方を発掘し、読者に送り届けたい、そんな風に考えています。小説専門を謳っていながら小説に限定しないような発言が続いてますが、いちおう電子書籍って漫画も、映画も、アニメも実は取り込める媒体なのですよね。チャンスがあれば、積極的にミックスカルチャーとして取り込んでいこうかなというかその可能性はとりあえず残しておきたいかなと思っておるわけです。

まあ、なんて臭いことを言ってみたり。

あそろそろ、iPad2 が発売されるのではないかと噂されている時期(が押し迫っているみたいですね3/2でしたっけ?)。どんな感じなのだろうか。ちょっと気になっております。

 

 

電子書籍の未来予想図 |紙の本は滅びないのか?

28 2月

 

 

電子書籍の議論も、最近では落着きを見せているようですね。紙の本は滅びない、電子書籍と共存していくだろう。そういった見解があちこちで見られるようになりました。紙の本は消えてしまうというのはいささか誇大妄想的な発想だと、それが電子書籍にたいする私たちの共通認識になりつつあるように感じます。

私は、おそらくその過信と油断が、紙の本を滅ぼす要因になるのではないかと思っています。

つづきをよむ

 

モリサワのMCBOOKについて、iPhone、Androidの電子書籍アプリの原稿募集について

21 2月

 

 

ただいま弊社ではAndroidとiPhone用の電子書籍アプリを作成しております。MCBOOKというヒラギノなどのフォントで有名なモリサワさんのツールを使って制作しているのですが、iPhoneではすでに定評のある電子書籍ツールとなっています。iTunesで同期すればMACやiPadで見られるようになりますし、Android対応アプリも可能になります。

 

MCBOOKについて、iPhone,Android原稿募集(予定)についてはこちら

 

電子書籍によって変化すること

17 2月

AndroidやiPhoneの登場により日本人の読書スタイルは今後変わってくると思います。スマートフォンで本を読むことに慣れてしまうと戻って来れなくなると思うんですよね。情報の整理、読みやすさ、携帯性、保管性において紙の本は電子書籍にどう足掻いても勝てないです。そして紙の書籍が電子書籍に上回るのは、物である物を所有する気持ち、美術センスの高さ、交換性、そして現時点では人間の認識度の高さ、そして販路だと思います。本を読んだことがない人はいないですし、売り買いするための書店が全国に散らばっています。

 

また電子書籍によって情報の送り手も変化します。出版するための敷居が低くなったことです。出版業界の慣習を考えることなく本を出版することが出来る。取次のことも書店のことも考える必要がない。私のように出版社を立ち上げて電子書籍を作る会社は今後増えるのではないかと予測しています。

 

敷居が低くなるということは次に予測されるのはコンテンツの質の低下です。日本語の乱れや内容の薄さなどが紙の業界でも言われていますが、それよりもさらに上回る速度で質の低下が加速するように思われます。現時点でも無料で公開したり、頒布できる電子書籍サイトの多くで、このような現象が起きています。

 

どうすれば歯止めを掛けることができるのか? いえそうではなく、どうすれば質の向上にベクトルの向きを変えることが出来るのか、それをこれから私たちは考えなくてはいけないのではないでしょうか。質の高い作品であれば必ずファンが付きます。この著作で何を伝えたいのか、どれだけ心を揺さ振ったか、それがこれまで以上に問われることになるはずです。また電子書籍によって妥当が報酬を実現することが出来れば(あるいはそれを目標としてモチベーションを維持することが出来れば)、制作者側もプライドを持つことが出来、さらに質の高い作品作りに励むことが出来ます。そのためには文学性の復興といいますか、電子書籍時代に移り変わるからこそ、ルネッサンス的な視点を持つ必要があるんじゃないかと思っています。子供の玩具のように読んで終わりではなく、ずっとスマートフォンにいれて、持ち歩きたいと思わせるような作品であれば、その人の他の作品も読んでみたいと思うはずなわけで。今まではプロモーションや装幀や帯や販路で勝負できたものが、作品のみでしか勝負できなくなる、そんな状況が今後生まれるんじゃないかと思っています。私は電子書籍は好期であると捉えています。IT業界も長い時代を経てようやくコンテンツ主義に移り変わる、そんな予感が胎動のように聞こえてくるのです。